日本話し方センター社長・横田章剛のブログ

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2021年12月27日オンライン会議をスムーズに進める秘訣とは?

在宅勤務が増え、会議などもオンラインで行うことがすっかり定着しました。私は会議を効果的に進めるファシリテーションの研修を行っていますが、その受講生に確認すると半分以上の会議をオンラインでやっているという人が大半です。

ところで、オンライン会議はリアルの会議に比べて、参加者の注意力が散漫になります。また、通信状態によっては、途中で音声や映像が途切れたり切断したりすることもあります。そうしたことを考慮して、今回はオンラインで会議をする場合の留意点についてお話します。



まず1つ目は、発言の最初に発言の趣旨を示す「主題」を言うということです。
「先ほどの原案について2つ質問があります」「原案に賛成できません。前提条件に疑問があるからです」「今のAさんの意見に賛成です」など、自分が今からどういう意見や質問をするのか、という話の方向性のことを主題といいます。この主題を明らかにすることで、他の参加者は「2つ質問するんだな」とか、「原案に反対なんだな」という発言の趣旨がわかり、意見や質問を理解しやすくなります。また、通信環境が悪くて発言の一部が聞き取りにくい場合でも、発言の趣旨がわかっているのである程度の理解はできます。この主題を先に述べるということは、リアルの会議でもとても効果がありますのでぜひご留意ください。

2つ目は、発言を短くして発言の最後にもう一度主題を言うということです。
オンライン会議では、1人が長時間発言してしまうと冗長に感じます。そうすると参加者はリアルよりもはるかに集中力がなくなります。これを回避するために、発言は要点のみを端的に伝えるようにしましょう。また、オンラインでは発言するタイミングがつかみにくいですね。発言が途切れたので話そうとすると、直前まで発言していた人が続けて発言するのとぶつかったりします。

このようなことにならないように発言の最後に「以上、2つ質問しました」「以上により提案に賛成できません」「以上によりAさんの意見に賛成です」というように、主題をもう一度言って締めくくります。これにより発言が終わったことがわかるので、他の人が発言しやすくなります。

そして、3つ目は、指示代名詞を極力使わないことです。
リアルの会議では、言葉以外に参加者の表情や場の雰囲気などの情報を得ることができます。しかし、オンライン会議ではこのような空気感が読めないため、主に言葉しか判断する情報がなくなります。なので、発言は誤解のないように具体的にすべきです。発言の中で具体性に欠ける可能性が高いものが「これ、それ、あれ」などの指示代名詞です。何を指すのかが曖昧だったり、聞き手によって指すものの捉え方が違ったりします。

例えば、こういう発言があったとします。
A:「5日の調査期間は3日でいいし、対象地域も5つから3つにすべきです」
B:「それはどうでしょうか。この調査はできるだけきちんとやるべきです」
Bの発言の「それ」は期間、対象地域、その両方のどれを指しているのか曖昧ですね。このような些細なことから誤解が生まれることが多いので、話している際の指示代名詞は本当に注意が必要です。できるだけ指示代名詞は使わずに具体的に話すことを心がけましょう。

今回はオンライン会議についてご紹介した内容は、日本話し方センターのベーシックコース2日間集中セミナーオンライン短期集中トレーニングコースでお伝えしている内容の一部です。これらのコースでは、話し方全般に関して、リアルでもオンラインでも応用できることをお伝えし、トレーニングしています。
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